ブーン系男子の雑記◆K8iifs2jk6

ブーン系を書いている◆K8iifs2jk6の雑記。 自作品まとめたり読んだブーン系の感想書いたり雑記書いたり、色々やりたいと思ってます。

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川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです



スレ立て短編


川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです





1 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:47:42.53 ID:iaEOpubj0 [1/32]
彼は溜息を附きつつも銃を握った。

銃口を己の敵に向けて照準を定め
引き金に指を乗せた。

N| "゚'` {"゚`lリ 「よかったのか? お前には目を掛けていたんだけどな。
          考えなおしたらどうだ? 脇役が出張ったぐらいじゃあこの状況は覆せないぜ」

つなぎを着た男、阿倍が言い、銃を構えた男に近寄る。

('A`) 「そうだ。例え脇役が出張っただけでは覆せない状況でも、脇役には脇役の意地がある」

N| "゚'` {"゚`lリ 「それで意地を貫いて死のうってのか?
          流石、今まで散々こき使われてきた兵士は言うことが違うねぇ」

('A`) 「裏切りやがったてめぇらのクソったれたボスに言わせりゃ、
    己の正義の正しさの証明の為に戦って死ぬ。だ」

でもなぁ、そう男が付け加え

('A`) 「でも俺は正義なんて持ち合わせていない。俺には思想なんて物もない。俺は自分を表現するために戦って死ぬ」

N| "゚'` {"゚`lリ 「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあ、この戦いを楽しもうか、ドクオ君」

阿倍がそう応え、駆けだす。

銃を構えた男、ドクオは引き金を引きしぼり
セミオートで阿倍へと発砲。


4 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 21:51:19.28 ID:iaEOpubj0 [2/32]
しかし、阿倍が配管工が着ているようなつなぎのポケットから
スパナを取り出し、それでドクオの弾丸を弾いた。

N| "゚'` {"゚`lリ 「ただの兵士が友人の為に“VIPPER”達に挑む。そそるねぇ」

('A`) 「“VIPPER”についてはよく知っている。何のことは無い。お前達もただの人間だ」

N| "゚'` {"゚`lリ 「そうだろうねぇ。あの子と仲の良いお前のことだ。そう言わざろうえないだろうな」

そう言いつつ距離を詰める阿倍。

ドクオは距離を取ろうともせずに阿倍に向けて発砲を続ける。

阿倍の右肩へ向けて弾を放ち、それはスパナによって弾かれ
続けてざまに右足へ向けて銃を撃つ。

だがそれも難なく弾かれてしまい
阿倍はさらに間合いを詰めた。

距離は既に5mと離れておらず
ドクオはフルオートに切り替え阿倍に弾雨を浴びせる。


5 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:54:38.46 ID:iaEOpubj0 [3/32]
彼を懐に飛び込ませてはいけない。

阿倍は銃器の類を持っていないようだが
彼はスパナを持っている。

通常、スパナなどと言う物ではアサルトライフルの銃撃を防げるはずがない。

いや、銃撃を防ぐということ自体がありえないのだが
銃撃に耐えきれるような丈夫なものでは無いはずだ。

それが先程から件のスパナは何発もの弾丸を受けているが
傷一つ作ってはいない。

つまり、戦闘用になんらかの改造を施されているのだろう。

(;'A`) (ただの丈夫なスパナであって欲しいけどな)

ドクオは内心に呟き、身構える。
阿倍が既に2m程の距離まで迫って来たのだ。

胸に装備したホルスターからナイフをすぐに抜き出せるように構えるが
弾雨を止ませるようなことはしない。

しかし、阿倍は弾を物ともせずに弾き続けた。

彼の目前で火花が散り、金属が弾ける甲高い音が鳴り響く。

その様は傍から見れば花火のようで美しかったが
ドクオには自分の攻撃が防がれた憎らしい副産物にしかすぎない。

6 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:58:37.30 ID:iaEOpubj0 [4/32]
阿倍がドクオの目前まで辿り着くと同時。

スパナを振りかぶると、
ドクオはそれをバック転で避けた。

N| "゚'` {"゚`lリ 「ほう、身軽だな。だが、それだけじゃあ勝てないぜ?」

阿倍がそう言いつつ追撃。

スパナを横に振るい、ドクオの脇を狙う。

すると金属同士がぶつかる鈍い音がし、火花が宙を舞った。

ドクオは銃を肩にかけ、右手でナイフを握り
阿倍のスパナの軌道を刃で妨げていた。

お互いに力を得物に込め、全力で押し合う。

だが、“VIPPER”の阿倍が相手ではドクオが不利であることは明白であった。
その証拠に彼は押されている。

ドクオはこの瞬間を狙っていた。

力を加える向きを変え
阿倍のスパナがあらぬ方向へと降られる。

ドクオは小回りするように移動し、すれ違いざまに阿倍の首へと刃を一閃。


9 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:02:41.40 ID:iaEOpubj0 [5/32]
阿倍は身体をスパナを振りかぶる勢いを生かして前屈させて
それをかわし、首に薄い赤の線を浮かばせるだけに止めた。

N| "゚'` {"゚`lリ 「やるねぇ。流石あの大戦を生き残っただけはある」

阿倍が呟き、ドクオへと接近。

ドクオはナイフを逆手に構え、腰を深く落して迎撃の姿勢を取った。

この体勢なら何時でも最速の突きを放つことができる――――――

阿倍はドクオまで後数歩の距離まで近づくと
携えていたスパナを彼のナイフへと向けて放った。

(;'A`) 「ッ!?」

するとドクオの腕が空へと向けられ
彼のナイフが宙を舞った。

恐るべき力だ。

まるで弾丸で撃たれたかのように
ナイフが弾かれてしまった。

この力で殴り飛ばせれでもすれば
恐らく即死してしまうだろう。

内臓破裂どころか爆破でもされたかのように
弾き飛ばされるかもしれない。


12 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:05:22.97 ID:iaEOpubj0 [6/32]
ドクオは狼狽するが
阿倍はお構いなしに懐に飛び込んだ。

一瞬で対処法をを判断したドクオは
飛びかかって来た阿倍に対し跳躍した。

彼は阿倍の肩を足場として飛び
宙を舞ったナイフをキャッチすると同時に空中で大きく振りかぶる。

阿倍の肩は大きく切り裂かれ、血飛沫を散らした。

だが、阿倍はにやりと笑った。

彼は裂かれた肩とは反対の腕でドクオに向けて腕を振るう。

咄嗟にドクオは振り下ろした刃を返し
伸びてきた腕に向けて一閃。

空を裂く鋭い音が響くと同時、
阿倍が伸ばした腕の肘から先が無くなっていた。

足元に喪失した腕が落ち、赤い噴水がまだ繋がっている腕の断面から勢いよく噴き出した。
ドクオは着地するが早いか、前かがみになって阿倍に肩からタックルを浴びせる。

阿倍はよろめき、そのまま倒れていった。

N| "゚'` {"゚`lリ 「あぁ……次は止めか?」

そう阿倍が呟くと、一瞬遅れて銀色の光が阿倍の額を貫く。


14 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:08:18.80 ID:iaEOpubj0 [7/32]
彼の頭には深々とナイフが突き刺さり
赤い液体が顔に垂れていった。

ドクオは彼に歩み寄り、死亡を確認した。

額に刺さったナイフを抜き取ると
栓をしていた物が取り除かれ、血が諾々と湧きあがって来た。

ドクオはナイフを一振りして血を払い飛ばす。

刃を鞘に収め、彼は阿倍の言う“あの子”の居る場所へと向かった。

そこには大勢の“VIPPER”達がおり、ドクオにとっては猛獣たちがひしめく
檻の中に餌を持って飛び込むようなものだ。

飛んで火に居る夏の虫。

だが、“あの子”の為に彼はそこへ疾走した――――――――

16 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:11:38.16 ID:iaEOpubj0 [8/32]
******

彼女、素直クールは厳しい拷問を受けていた。

彼女の上官、アサピーが叛乱を起こし
それに立ち向かったせいだ。

彼女、素直クールは“VIPPER”と呼ばれる人体改造によって様々な特殊な能力や
超人的な身体能力を手に入れた人間であり、彼女はアサピーにとって脅威となった。

しかし、彼には敵わなかった。

他にも大勢の者がアサピーへと挑んだが
アサピーに賛同する者達の大半がVIPPERであり
彼等は敗れてしまったのだ。

そんな中でクールが生き残れたのは
彼女もVIPPERであるというところが大きい。

彼女は数多くのVIPPERを倒し
アサピーまで迫ったが、彼の“切り札”によって打ち負かされてしまったのだ。

そうして、現在。

暗く狭い部屋の中で手足の自由を奪われ
数々の責め苦を味わわされていた。

現在は休憩をとっているようだが
これ以上続くとなると痛みと恐怖によって狂ってしまいそうだ。


17 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:14:26.65 ID:iaEOpubj0 [9/32]
ここまで耐えてこられたのも
彼女がVIPPERであるがゆえの強い生命力のおかげであろう。

川 - ) 「ふぅ………」

そう溜息を彼女は附くが
言葉を紡ぐほどの気力は無い。

川 - ) (全く悪趣味な奴らだ。救援にやって来た部隊も“あれ”に蹴散らされてしまった。
     もっとも、奴の目論見などどうせ打ち砕かれるだろうが、その時にはもう私は生きてはいないだろうな……)

川 - )(“君”は今どこに居るんだ? 願わくば逃げてくれていることを祈る。奴らに見つからないことを祈る。
     君が生き残る事を願う。それとも死んでしまったか? 心の弱い奴だが、自分の信念は曲げない男だったからな……)

クールが頭の中で独白していると
部屋の扉が勢いよく開かれた。

光が入り込み、その光を浴びたクールは目が眩んだ。

川 - ) (ふぅ……また始まるのか………)

クールは視界を閉じた。

このまま寝てしまいたい。
そのまま目を覚ますことが無ければどれだけ幸せなことか。

足音がした。

足音がし、何かが倒れる音が続く。


19 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:17:43.00 ID:iaEOpubj0 [10/32]
声が聞こえる。

聞き慣れた声だ。

だが、今までとは違い彼女の味方の声だった。

クールと親しい、数々の死線を潜り抜けてきた戦友―――――ドクオの声だ。

彼女が目を開けると、扉の前に彼が立っており
今まで散々苦しめられてきた拷問官の死体と
その他の兵士達の死体が彼の周囲に散乱していた。

ドクオはクールへと近づく。

(メ'A`) 「大丈夫か? 今拘束を外す、動くなよ? 怪我するから」

彼がそう言うと、手錠の施錠された部分にハンドガンの銃口を向けて発砲。

弾丸が鉄にのめり込む鈍い音がすると
手錠はドクオの足もとに落ちた。

続けて同じように足枷を撃ち抜く。

束縛されていた手足が自由となり
クールは右手首をぶらぶらと回して解した。


21 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:21:12.42 ID:iaEOpubj0 [11/32]
川 ゚ -゚) 「……どうしてここに?」

(メ'A`) 「捕虜にされた仲間がいたら助けに行きたい。そう思うのは悪いことか?」

川 ゚ -゚) 「実行するのは時と場合によっては悪いことだ」

(メ'A`) 「もっと悪い事をしようとしてる奴がいるだろ?
     それを止めるのはクーが適任なんだ。俺じゃあ役不足だ。ただの兵士にはな」

川 ゚ -゚) 「“ただの”兵士が単独でVIPPER達を倒し、捕虜を助けることなど不可能に思われるがな」

(メ'A`) 「いい加減皮肉り合うのはやめよう。ここまで来るのに体力と弾薬を使い過ぎた」

後は任せる。ドクオはそう付け加え、その場に倒れる。

見れば彼の体には赤い液体が沢山流れ出ており
左肩には大きな銃創が出来ていた。

満身創痍。

それはドクオに限らずクールにも言えたことではあるが
ただの兵士とVIPPERである彼女に使う満身創痍とでは
若干その言葉の重さが違った。

ドクオは立っているのもやっとであろうが
クールはさして支障をきたすことなく戦うことができるのだ。


23 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:24:58.83 ID:iaEOpubj0 [12/32]
川 ゚ -゚) 「私1人で勝てるわけがないだろう。だったら始めから捕まっちゃいない」

( A ) 「任せるって言ったろ。逃げようが戦おうが好きにしろ」

川 ゚ -゚) 「おい。何の為に私を助けに来たんだお前は」

( A ) 「アフターケアをする余裕は俺にはない。疲れたんだ……少し休ませてくれ」

川 ゚ -゚) 「肝心なとこで役に立たないな君は」

やれやれ。クールはそう嘆息して続けた。

川 ゚ -゚) 「ドクオ、アサピーは切り札を完成させた。最強のVIPPER“クックル”をな。
      奴を排除する。私1人では無理だ。君も手伝え、あいつには最高のVIPPER“クール”も敵わない」


25 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:29:27.30 ID:iaEOpubj0 [13/32]
******

(-@∀@) 「ふむ。実に興味深い」

工場のような場所で
パソコンの画面を見つめて、男、アサピーが言った。

彼は緑のベレー帽に軍服を着込んでおり眼鏡を掛けていた。

その顔は一目見ればどんな顔か忘れてしまいそうになる
いたって平凡な顔であり、もう一度見返して
「ああ、こんな顔だった」とやっと脳に刻み込めるような
とても特徴のない顔立ちであった。

だがその平面顔には
恐ろしいまでの狂気に包まれた笑顔を浮かべており
その表情だけで彼の顔を忘れられないまでに特徴のある物へと変化させた。

(-@∀@) 「それから数々のVIPPERが消えていき、拘束していたクールまでもが消えるとはな」

(-@∀@) 「ふふふ、まだ抵抗する者がいるのか。圧倒的な力の差を見せつけられても未だに。
      果たしてその者の胸にあるのは正義か? それとも自殺志願か?
      この私の胸にある正義とこの者の胸にある感情……ぶつかるのであろう」

アサピーは誰かに語りかけているかのように独白する。

(-@∀@) 「ぶつかる。それも激しく。強烈にっ!
      私の作りだした最強のVIPPERクックルとハインリッヒの作りだした最高のVIPPERクールがぶつかることによって!
      ふふふ。そうなのだろう? 戦う為に貴様はクールを助け出した。切り札の為に全ての札を捨て、この瞬間に全てをかけた」


26 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:33:06.63 ID:iaEOpubj0 [14/32]
銃声と悲鳴が聞こえ、アサピーはその方向を向く。

すると、扉から人の体が飛び出し
その元を辿るとクールがいた。

川 ゚ -゚) 「さて、アサピー大佐。覚悟はよろしいか?」

クールが銃をアサピーに突きつけて言う。

更に、その後ろでドクオが銃を構えており
油断なく鋭い視線をアサピーに送っていた。

(-@∀@) 「ふむ。君達は恐ろしいな。実に恐ろしい。
      その様子では私が抱きこんだVIPPER達は殺されてしまったようだな」

だが、とアサピーは続け。

(-@∀@) 「聞け! 鬱田ドクオ! 素直クール!!
      お前達は既に敗れていたのだ! だがそれを認めずに我々に挑んだ!!
      そうして多くの者を殺した! 罪深いものだ、すでに諦めていればもう誰も死ななかったものを」

(-@∀@) 「お前達は多くを失ってきた。今回も失った。お前達を必要とした者達は
      既に失われたのだ。お前達を必要とする者達は最早おらず私を必要とする者達を殺した。大勢!」

捲し立てるような早口でアサピーは語った。

('A`) 「あんたのやろうとしてることは聖戦でも何でもない。ただのクーデターだ。
    俺達は兵士としてあんたを止める必要がある。言葉遊びはもう終わりだ………死ね」

ドクオが言い、銃の引き金を引いた。

29 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:38:32.48 ID:iaEOpubj0 [15/32]
すると、

(#-@∀@) 「クゥゥゥゥッックゥゥゥルウゥゥゥゥッッッ!!!!」

アサピーが叫び、轟音と共に何かが降って来た。

何かにドクオが放った弾丸があたるが
火花と共に弾が弾けてしまう。

何かはとても大きく
それが人であると判断するのは困難であった。

ドクオやアサピーなどは比べようもない。

それは大き過ぎたのだ。

目算でも6mはある巨人。

鉄筋のように太い手足。

鋼の如き逞しい筋肉。

太く、荒々しい荒野のような胴。

そして、腕に生えた
羽毛のような金属の刃。

30 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:43:40.83 ID:iaEOpubj0 [16/32]
 ゚∋゚) 「…………………………」

それ――――最強のVIPPER“クックル”――――がドクオとクールを見下ろした。

川 ゚ -゚) 「ドクオ」

クールはドクオを呼び、言う。

川 ゚ -゚) 「あいつの相手は私に任せろ。時間稼ぎぐらいはできる。アサピーは君が仕留めてくれ」

言い終えると同時に彼女は駆けだし、クックルへと向かっていった。


32 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:46:42.56 ID:iaEOpubj0 [17/32]
******

(;'A`) 「クー! 無茶だ! やめろっっ!!」

大声でドクオが静止するが彼女は聞きもしない。

結果、彼はクールの提案に乗った。

クックルを向いていた銃口を回り込んでアサピーへと向けると、
アサピーはドクオの懐へと一足飛びで一気に飛び込んでいた。

その跳躍力は人間の物では無く、
VIPPERの物だとドクオはそう判断した。

(-@∀@) 「ふふふ。私は研究者ではない、戦士だ。
      君と同じく歴戦の戦士であることを忘れてもらっては困るよ」

アサピーがそう言い、彼はいつの間にか構えた軍刀をドクオへと向けて振り下ろす。

その刀は豪華絢爛な装飾が施され、
黄金色の輝きを刃から放っていた。

金色が一閃され、彼は咄嗟にナイフで刃を受け止める。

VIPPERとただの人間ではやはり、
人間が力負けしてしまう。

ドクオはナイフごと弾き飛ばされ、
壁に背中から激突した。

33 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:50:24.37 ID:iaEOpubj0 [18/32]
痛みが肺を通り抜け、
嗚咽となって吐き出される。

(;'A`) 「クソ………あんにゃろう、デスクワークしか出来ないと思ったんだけどな……」

ドクオが呟くのが早いか
アサピーが彼の前に姿を現した。

(-@∀@) 「なに。偉くなると前線に立つことも少なくなる。それだけのことさ」

言葉が聞こえ、それに遅れて黄金の刀身が煌めく。

ドクオの肩へと刃が迫るが
彼はナイフで軌道をずらしてた。

その隙を狙い、ドクオは一歩踏み込んで一閃。

一歩後退してアサピーは軽く避けた。

続けてドクオは体制を低くして
片足を伸ばしつつ一回転。

アサピーの足を払うようになるが
それを彼は足を上げるだけで回避し、その上ドクオの伸びきった足を踏みつけた。

ドクオはそれを引き抜くことも出来ずに
アサピーの足へ向けて剣を振り下ろされる。

その刃をドクオは手と手で受け止め、白羽取りを成功させた。


34 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:54:38.46 ID:iaEOpubj0 [19/32]
(;'A`) 「へっ! ただの人間嘗めるなよっ!!」

(-@∀@) 「馬鹿者め………」

(;゚A゚) 「アアアアァァァァ!!」

踏みつけられた足に力を加えられ、痛みにドクオは悲鳴を上げる。

やはりVIPPERと人間の力の差は歴然だ。

このまま彼の足はへし折られてしまいかねない。

ドクオは両手で受け止めた刃をアサピーが自分の踏みつけている足に向けて突き刺した。

(;-@∀@) 「ぐっ!」

アサピーはドクオの足ごと自らの刃に足を貫かれてしまい、短く呻いた。

素早く剣を引き抜くが
ドクオは痛みによって緩められた足の重みから逃れ、一瞬で間合いを開いた。

(-@∀@) 「なかなか素早い判断だ。だが、その判断は後先考えずに下されたものだ。
      最良の判断とは思えない。VIPPERである私の負傷と貴様の負傷では重さが違う」

(;'A`) 「知るか、俺はあんたとの戦いなんてどうでもいい。俺はクーを助けに来ただけだからな」

(-@∀@) 「ほう。ならばあのまま逃げていればいい物を……貴様の正義を聞こうじゃないか。
      貴様は今まで、そしてこれから何の為に戦う?」


35 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:58:47.13 ID:iaEOpubj0 [20/32]
('A`) 「友達に死んで欲しくないんでね。
    仲間の為に、その仲間達と一緒に生きていくために戦うってのは悪い事かい?」

ドクオがそういうとアサピーは黙り込んだ。

(-@∀@) 「フフフフフ! はっはっはっはっは! あっはっはっはっはっは!!」

突如、アサピーは腹を抱えて笑いだす。

(-@∀@) 「いやぁ、実に良い。その思想は実に良い。多少ずれてはいるが。
       貴様は数々の戦場を乗り越えていくうちに国や自らの家族よりも
        数々の死線を共に乗り越えた戦友達を選ぶと言うのか!」

(-@∀@) 「フッフッフ……貴様は望んでいるのか、兵士達の生きる国を。
       一つ予言してやろう。なに、年寄りの小言と思ってくれて構わない」

(-@∀@) 「貴様はいずれ、私のようになる。私は望む。兵士が生きていける国を。
       貴様はいずれ絶望する。そして渇望する。我々の理想郷をな。
        我々の天国……戦争と戦争を繰り返し、流血と流血を繰り返し、死別と死別を繰り返す」

('A`) 「そんな物のどこが天国だ」

(-@∀@) 「いずれわかる……私はそれを作り上げてみせる。
      あのVIPPER“クックル”と共にな」


37 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:04:05.25 ID:iaEOpubj0 [21/32]
('A`) 「出来ない、そんな物はただの妄言にすぎない。断言してやる」

(-@∀@) 「随分と否定的だな。遠からぬ未来の話だ。
      まぁいい、貴様は貴様の理想郷を作り上げるといい」

(-@∀@) 「私は一つの軍事大国を作り上げる。
      絶えず闘争を行い、次の紛争の為の戦争を行い、争いによる為の戦いを繰り返す。
      そうやって無限の歓喜と繁栄を味わう……戦いがあってこその我々兵士。いや、人間だ」

(-@∀@) 「その名も――――ニューソクVIP。我々VIPPERの理想国家!」

アサピーが一息に捲し立てると、悪いが。とドクオが口を挟んだ。

('A`) 「そんなものは理想郷とは言えない。1人の狂人の独裁による理想などでは天国など作れない。
    本当の理想郷はお前の正義の裏にある。兵士達の理想郷は――――この世にある! あんたの作りだした世界には無い!」


40 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:07:48.45 ID:iaEOpubj0 [22/32]
(-@∀@) 「懐柔出来ぬか。よかろう……私の正義と貴様の正義どちらが本物かを決める時がきた」

アサピーがそう言うが同時。

ドクオへとクールの体が飛んできた。

彼はそれを優しく受け止め、その場に膝を附く。

川;゚ -゚) 「むぅ……すまないな……やはり手強い」

クールの体には無数の赤い線が出来ていた。

軍服がずたずたに斬り裂かれており
あちらこちらから血が滴っている。

しかし、彼女の顔は冷静そのもので
痛いとも苦しいとも思っていないように見えた。


42 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:11:42.09 ID:iaEOpubj0 [23/32]
******

(;'A`) 「クー! 無茶だ! やめろっっ!!」

ドクオが大声で制止するがクールは聞きもしない。

彼女はそのままクックルへと駆けだしていった。

約6mもの巨体。

見る者に恐れを抱かせるような巨体に彼女は臆せず突っ切って行く。

クールはアサルトライフルと一振りの日本刀を装備していた。

日本刀。最高のVIPPERである素直クール専用に作られた特殊装備。

彼女はそれを腰に差した鞘から引き抜く。

すると、空気を裂く鋭い音がし
刀身が冷気を纏っていた。

クックルの足もとへと迫り
片手でアサルトライフルを放つ。

銃火が眩しく輝き
クックルの体に弾雨が降り掛った。

しかし、それらは彼の腹部で弾け
クックルの体を貫くことはなかった。

43 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:16:09.82 ID:iaEOpubj0 [24/32]
クックルが動き、腕をクールへ向かって振り下ろす。

下ろされた鉄拳が地面に突き立ち
クールはその場から消えていた。

( ゚∋゚) 「ッ!?」

突如、クックルの左胸から刃が生えた。

白銀の冷気の漂う刃。

するとその刃の根元を氷が覆っていく。

最高のVIPPERたる素直クールの能力
氷を思った通りの形に、場所を選ばずに生成する力―――――

その力によって作られた氷だ。

だがクックルは何事も無かったかのように
クールへと振り返り、そのまま肘打ちを食らわせんとした。

クールはそのまま刀を振り抜き、横転してそれをさける。

彼女の額をクックルの腕が掠め
クックルの腕から生えている羽のような刃が身を屈めた彼女に向かって放たれた。

クールの目前へと迫ったそれは
突如出現した氷の壁に突き刺さる。

クールはその壁を両断し。

44 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:21:40.53 ID:iaEOpubj0 [25/32]
更にそれを刀で細切れにして出来た氷の破片をクックルへと弾き飛ばし
彼の顔を氷の破片が襲い、頬や額を切り裂くがクックルは気にも留めない。

まるで痛みなどを感じていないかのように。

クックルはクールへと猛然と突進してゆき
彼女に自らの腕に生えた刃達を放出した。

クールは先ほどのように氷の壁でそれを防ぐ。

だが、クックルは氷の壁を腕を一振りするだけで破壊し
クールに氷片を浴びせた。

身体中を氷が薄く切り裂いたが、軽傷で済んだ。

そのままクックルは足を突き出す。

クールの腹部につま先がめり込み
衝撃が内臓を傷めつけ、彼女は口から血を吐き出した。

クールはそのまま吹き飛ばされるが空中で宙返りしてそのまま着地。

彼女はアサルトライフルをクックルに向け
引き金を引き絞った。

弾雨がクックルの顔へと降りかかるが、やはり効いてはいない。

赤い小さな点が顔に数か所出来たのみだ。


46 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:26:55.72 ID:iaEOpubj0 [26/32]
( ゚∋゚) 「…………」

クックルはクールを見ると、両腕を彼女へ向けた。

腕を折りたたみ、そこから刃の羽が発射される。

それと、同時にクックルが駆けだした。

刃の群と共に迫りくるクックルは脅威そのもので
咄嗟にクールは氷の壁を目前に作ると同時にその場から離れる。

刃が壁に突き立ち、それは男の拳によって破壊され
そのまま勢いを衰えさせずにクックルはクールへと迫った。

彼女は刀を構え、迎撃の姿勢をとり
更に速さを増し、クックルはこちらへ駆け抜ける。

その姿は彼女が迎撃の姿勢を取ったのを喜んでいるようだ。

クールの目前に迫ったクックルは拳を大きく振りかぶり
振るわれるか振るわれないかギリギリのタイミングで
クールは転がって彼の脇をすり抜け、拳を避けた。

クックルが自らの背後に回ったクールの姿を見ると
脇腹から血が噴き出した。

クールがすれ違いざまに切り裂いたのだ。

48 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:31:39.51 ID:iaEOpubj0 [27/32]
( ゚∋゚) 「…………」

だが、彼は痛みを感じていないかのように、
ダメージなど受けていないかのように平然としている。

川 ゚ -゚) 「しぶとい奴だ。図体がでかいだけあって生命力も強いのか」

クールはそう毒づき、仕方ない。と紡ぐ。

川 ゚ -゚) 「これから私は切り札を切るぞ? かなり派手な札だ、これを出したらゲームは終了として欲しい」

そう言うと、彼女の周囲の空気が凍った。

まるでその場だけ季節が冬になってしまったかのように。

クールが言葉を発するたびに出されると息が白む。

彼女はクックルへと向かって駆けだす。

クックルは彼女へ向けて刃の羽を放つが
全てクールに5mと近づけずに凍ってしまった。

凍った刃は全て地面に落ちることも無く
宙に浮いたまま凍りついていた。

そこだけ時間が止まってしまったかのように凍結する。

それを確認したクックルは迫りくるクールに対し突進を行った。

49 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:36:37.23 ID:iaEOpubj0 [28/32]
すぐに開いていた距離は縮められ、お互いの間合いとなる。

クックルが拳を突進した勢いに乗せると、弾丸のようにパンチが放たれ
クールの頭上へと迫った。

( ゚∋゚) 「ッ!?」

だが、クックルの拳は彼女の頭に触れることも出来ずに凍りついた。

そして蝕まれていくかのように次々と体中凍りついていき
世にも珍しい、細部まで徹底的に拘られた、人間の氷像が出来上がった。

川 ゚ -゚) 「“エターナルフォースブリザード”これが切り札―――ジョーカーだ」

クールがそう言い、彼女はアサピーとドクオへと向かって振り向く。

何やら会話をしているようだ。

彼女のいる場所からでは声が聞こえないが、姿だけは見えていた。

どうやらドクオは足を刺されたらしい。

クールを救う為に今まで大勢のVIPPERを相手にし
あちらこちらに傷を負っていたが、その足の傷は傷口が真新しく
他の傷よりも目立って見えた。

これはいけない、すぐに助けねば―――――――――そう、クールが思った矢先。


50 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:42:14.51 ID:iaEOpubj0 [29/32]
背後で何かが砕ける音がした。

ガラスの割れるような甲高い音。

川 ゚ -゚) 「ッ!?」

クールがそれに気付いた時、彼女は宙を舞っていた。

強い衝撃を背中に受け、彼女は吹き飛ばされたのだ。

全身を覆う氷を砕き、殴りかかって来たクックルによって。

( ゚∋゚) 「………」

クックルは何事も無かったかのように仁王立ちしていた。

彼の体を覆っていた氷などは全て砕け
体中に負った切創も無くなっていた。

何故?クールは吹き飛ばされながらも疑問に思っていると
彼女は1人の男の腕の中に受け止められた。


51 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:47:43.23 ID:iaEOpubj0 [30/32]
******

川;゚ -゚) 「むぅ……すまない、やはり手強い」

宙を舞っていたクールは
ドクオに受け止められ、彼の腕の中で言った。

(-@∀@) 「フフフ、一度ならず二度もクックルに挑んでいるのだ。そろそろ悟ってはどうかね?
     “最高のVIPPER”素直クール。最高では最強には勝てんよ。ハインリッヒ博士の最高傑作ではね。
      最も、君がハインリッヒ博士の最後の作品となってしまったがな。最後にして最高、最終にして最秀作か」

(-@∀@) 「私は“私の最強”を以ってして<人類最強>を超えてみせる。
      <人類最強>の作りだした“最高の玩具”など私の全力で作り出した“最強の剣”には敵わない」

<人類最強>――――生前、ハインリッヒ高岡に付けられた仇名。

(#'A`) 「クーは玩具なんかじゃねーよ、作品でもねー! 俺の最高の戦友だ」

クーを跳ねのけ、怒鳴り声と共にライフルをアサピーへ向けて
ドクオは引き金を引き絞った。

銃口から炎が噴き出し
無数の弾丸が一直線にアサピーへと襲いかかる。

しかし、弾が走った先には既にアサピーはおらず
ドクオの目前に移動していた。

アサピーは足を大きく振り上げると
それはドクオの腹に綺麗に食らいついていった。

52 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:52:39.82 ID:iaEOpubj0 [31/32]
ドクオの体はくの字に折れ曲がり
彼は膝を附いてて苦しみに悶える。

アサピーの後方でクックルが動こうとするが
彼はそれを右手を上げて制する。

その動きに呼応するかのように
今すぐにでもアサピーに襲いかかろうとしていた
クールも静止した。

(-@∀@) 「素直クール。君では私の最強には勝てない、ハインリッヒを先の大戦で守れなかったように
      君はこの戦いで戦友と自らの命を失うことになる。そうして私は自らの正義を貫き、ハインリッヒが守った国を掌握する!」

軍刀を抜いたアサピーはクールに切りかかる。

対し、クールは刀を抜いて刃を受け止めた。

刃と刃が小競り合い、火花を生み出し
両者はお互いの眼光と眼光とを重ね合い
もう一つ火花を散らした。

じりじりとお互いに譲らずに押し合う中
クールはアサピーの剣を撥ね退け
彼を蹴り飛ばした。

後方に吹き飛んでいったアサピーは宙に浮きつつも
手でクックルに命令を下す。

そうするとクックルは両腕に生えた剣の羽をクールへと発射した。

55 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:56:09.82 ID:iaEOpubj0 [32/32]
クールは襲い来る刃の群を氷の壁で防ぐが
いくつかの刃がその壁を貫いて彼女の体を切り刻んだ。

彼女は怯んでしまい、アサピーはそれを見下ろす。

(-@∀@) 「フフフ、どうだ? 私の切り札は? 私の最強の剣は?
      君の隣で苦しみ悶えている男を守り切れるのか?」

川 ゚ -゚) 「生憎、私は彼を守る気などない。彼は私の切り札だ」

クールがそう言うが早いか
ドクオはクックルへと向かって駆けだしていた。

56 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:02:03.08 ID:YjEz0V/E0 [1/22]
(-@∀@) 「何ッ!?」

彼の腕にはとても大きく、無骨なリボルバーが握られている。

15mmもの巨大な弾薬を取り扱う、ツェリザカと呼ばれるリボルバーだ。

クックルはドクオに向けて刃の雨を降らせるが彼はことごとくそれを避けた。

結果、彼の体には薄い赤い線が数本浮かんだだけであり
重傷らしき怪我は負っていない。

クックルの目前へと接近すると
クックルはドクオへと向けて拳を振るうが
ドクオはそれを前に身を捨てて避け、一回転すると共にクックルの懐に飛び込んだ。

それと、同時。

ドクオはツェリザカをクックルの左胸へと押し当てた。

零距離。

川 ゚ -゚) 「彼は私の最高にして最強の切り札。
      トランプにはジョーカーが二枚あるものだろう? 切り札が二枚あったからといって恨むなよ、クックル」

弾丸は大口径、距離は零。狙うは心臓。

一撃必殺の零距離射撃――――――――――――

怪鳥の鳴き声が如き鼓膜を劈く鋭い音が響きわたり
クックルの胸には巨大な赤いトンネルが出来ていた。

59 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:07:46.23 ID:YjEz0V/E0 [2/22]
心臓ごと分厚い胸板を吹き飛ばされ
クックルは膝を附いて力無く倒れていく他に出来ることは無かった。

虚を突いた一瞬にして間合いを詰め、そこに必殺の一撃を叩き込む。

最高のVIPPER素直クールの切り札に相応しい、素晴らしき戦果だ。

それを見て笑う1人の男が居た。

(-@∀@) 「フフフ、フハハハッ! アッハッハッハッハッハ!!」

アサピーだ。

(-@∀@) 「実に素晴らしい、ただの人間が最強の超人を打ち破るか! 貴様を見ているとハインリッヒを思い出す!」

気が狂ったのか、大声で笑い転げるこの男はクールとドクオにはとても滑稽に見えた。

(-@∀@) 「ハッハッハッハッハ! 素晴らしい! だが、この程度では私のジョーカーは終わりはしない!!」

突如、大きな音がする。

地面が揺れたかのような振動をクール達は浴びると
それが何の音であるかすぐにわかった。

足音だ。クックルが地に足を打ち、立ち上がったのだ。

彼の左胸を見やると、風穴は塞がれ、元通りとなっていた。

61 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:13:15.49 ID:YjEz0V/E0 [3/22]
ドクオは素早い動きで距離を取るが、
追ってきたクックルによって殴り飛ばされ、
地面に何回かバウンドしてからやっと着地出来た。

川;゚ -゚) 「ドクオ!!」

(-@∀@) 「人の心配をしている場合では無いぞ」

軍刀を振り下ろしたアサピーは吐き捨てるかのように言い
クールはそれを氷で防いでドクオの元へ駆けより、クックルに対峙した。

クックルは彼女の目の前で腕に生えた刃を振り下ろし
クールは氷の壁と共に刀でそれを受け止めた。

力の差は歴然。

だが、彼女は一歩も引かなかった、引けばドクオが殺されてしまう。

クールは渾身の力で腕を押し返そうとした。

そうすればそうするほどに腕の力は強まっていくが
クックルには歯が立たず、彼女は押し潰されていくばかりだ。

すると、彼女の背後で轟音が鳴り響く。

62 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:18:35.94 ID:YjEz0V/E0 [4/22]
遥か頭上を巨大な弾丸が通過してゆき、クックルの片目を穿った。

弾丸は生々しい何かが潰れる音と共に目玉を撃ち貫き、
その勢いは死ななずに脳髄ごと頭蓋に風穴を空ける。

クックルは後ろに仰け反り、倒れていく。

その隙を逃さずにクールは退避と追撃を同時に行う。
地を後ろに蹴り、クックルの体の周囲に氷を生成する。

ガラスの割れるような音が響くが早いが、クックルは再び全身氷漬けとなっていた。

クールの背後。

何かが蠢く気配がし、振り向くとドクオが立ち上がっていた。

アサピーと対峙しており、金属同士がぶつかり合う快音が鳴り響き、
ナイフと軍刀が鍔迫り合いを行っていた。

ナイフと軍刀では、重量に差がある。

そのせいか、はたまたVIPPERと普通の人間の差のせいか、
ナイフを構えるドクオのほうが押されていた。

64 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:23:19.86 ID:YjEz0V/E0 [5/22]
加勢しなければ。

クールは彼等の元へと駆ける。

同時、アサピーに向けて氷の塊を放つ。

先端が鋭く尖っており、矢のような形状をしたそれは、
アサピーに引き寄せられるかのように放たれていった。

一瞬遅れ、背後でガラス製品が大量に割れるような轟音がしたかと思うと、
クックルが身体にへばり付いた氷を砕きおいていた。

どのようにして全身の氷を一気に砕いたのかはわからないが、
危険な状況であり、僅かに疲労の色がクックルに見えることは確かである。

クックルは腕の刃をドクオに向けて放ち、
刃の群が空中を大量に飛び散って行った。

クールは遅れてそれに気付き、氷の壁を出現させる。

本当に便利な能力だ。と、他人事のように再認識しするが、
全ては防ぎきれずに、残った刃はドクオへと向かった。

66 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:29:12.56 ID:YjEz0V/E0 [6/22]
そちらを見やると、既にアサピーはどこかへ消えている。

攻撃を察知し、退避したようだ。

クールの放った氷の塊が空しくも虚空を裂く。

が、クックルの羽のような刃はドクオを切り裂かんとしていた。

ドクオは逃げる素振りも見せずに、(いや、既に避けられるほど体力が残っていないのかもしれないが)
脇と腰に装備している鞘から刃が収められている腰の鞘から抜刀する。

双刃を構えたドクオは、体勢を低くして迎撃の姿勢を取り、
刃の群が彼の目前に迫ると、耳障りな機関銃の銃声の如く金属の異音が響き渡った。

刃を大量に弾くことによってできる音だ。

一拍置くと、彼の横を刃は通過していき、
ドクオの体には刃が数本肩や腰という急所ではない場所に突き刺さったのみで、
致命傷では負っていない。

クールが駆け抜け、彼の背後にピッタリと密着した。

視線の先にはアサピーがおり、ドクオはナイフを収めてツェリザカに持ち替える。

日本刀の切っ先がアサピーへと向き、ツェリザカの銃口がクックルを覗く。


67 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:36:18.30 ID:YjEz0V/E0 [7/22]
互いに互いの敵の動きに警戒していると、クールの背後から声がした。

(メ A ) 「俺が切り札ね……嬉しい事を言ってくれるな。
     クー、俺はお前のこと大好きだわ。この戦いが終わったら付き合ってくれない?」

川 ゚ -゚) 「こんな時に何を言っているっ!」

(メ A ) 「フン、死亡フラグって奴だよっ!」

ドクオはそういうと、バックパックから一つの頑丈な金庫のようなケースを取り出した。

それはケースと言うよりは試験管のような形をしており
水筒のように扱われるものだ。

中には液体が入っている。ただし、喉を潤おす為のものでは無い

68 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:43:17.90 ID:YjEz0V/E0 [8/22]
クールはそれを横目でちらりと見やり狼狽する。

川;゚ -゚) 「<ハインリッヒ新薬>!? やめろ……それは使わないと約束しただろ?」

( A ) 「俺が俺として生きる為に……自らを表現する為に! 戦友を守る為に!!」

('A`) 「クー、大好きだったよ。出来たら別の時、別の場所で会いたかった。
    でも、クーと一緒に居られて俺は楽しかった」

ドクオが今まで秘めてきた思いを告白すると
ケースの蓋を開き、それに口を付けて飲み干した。

すると、徐々に彼の黒い髪は美しい眩しく輝く白銀のものへと変わってゆき
彼の黒い瞳は血の水溜りが出来たように赤く染まっていった。

肌の色は雪のように白く染まってゆき、唇は血糊で固めたように赤く、
肩に掛かるか掛からないかギリギリのところまで髪が伸びてゆき、前髪が左目を覆い隠していった。

ドクオの容姿が別の誰かの物へと変貌してゆく―――――

69 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:49:04.38 ID:YjEz0V/E0 [9/22]
从 A从 「………………」

そうしてきつく結ばれていた口は大きく引き裂かれてゆき、高笑いを上げた。

从 ゚∀从 「ハーッハッハッハ! ハインリーッヒ!!」

ドクオは変わった笑い声を上げる。

かの<人類最強>が上げていた笑い声を。

その様は、その彼の姿は―――――――――

<人類最強>高岡ハインリッヒ、その人そのものであった。

クールは呆然と立ち尽くし、アサピーやクックルでさえも唖然とした。

川 - ) 「なんてことだ……大馬鹿者め…………すまない………すまないっ!」

クールはその光景に驚きもせず、冷静に言うが
大粒の涙は確かに彼女の頬を伝っていた。

泣き崩れそうになるが、クックルは依然として腕を引いてはくれない。

(#-@∀@) 「貴様………何をした? 何故貴様が? 何故あの小僧が貴様に成れたのだ!? どんな奇術を使った!!」

从 ゚∀从 「おう、アサピーか。久しぶりだなぁ。なんだテメー老けこみやがって。
      ジジーになっちまったなぁおい。たったの10年ちょっとでそこまで老けるか?」

(#-@∀@) 「貴様は10年たってもその口は治らんのだな、質問に答えろ!」


71 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:56:19.31 ID:YjEz0V/E0 [10/22]
从 ゚∀从 「あぁー、めんどい奴だなー。
     俺はなぁ、なんと! 他人にそっくりそのまま変身できちゃう薬を作り出したわけだよ!
      そこでだ! この俺、人類最強に変身できる薬を一個だけ作りだしたんだ。
      そんで、そこにいるクーにそれを渡したわけ。ちなみに、こいつを飲むと二度と元には戻れない」

ハインリッヒは早口で面倒臭そうに捲し立てて説明する。

从 ゚∀从 「あー、ドクオの野郎が飲んだみたいだな。
      クー、そんなに泣くんじゃねーよ。お母さんに会えたってのに悲しいのかい?」

川 ; -;) 「そういうわけじゃないっ! そんなんじゃ……ない……」

从 ゚∀从 「あー、あの野郎。うちの娘泣かしやがったな。そう泣きなさんな。人生はまだまだ希望やらに満ち溢れてんぜ?」

(#-@∀@) 「私を無視するな!」

アサピーが怒鳴り散らすと、クックルはドクオ―――ハインリッヒに向けて駆けだした。

ハインリッヒがバックパックに手を伸ばし、片腕を振るうと
クックルは突然動かなくなった。

クックルはそのまま身体を右に左にと振るう。

73 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:01:59.95 ID:YjEz0V/E0 [11/22]
从 ゚∀从 「あの野郎。バックパックにこんなもん入れてやがるとは、始めからこうするつもりだったな」

“こんなもん”とは、ハインリッヒが愛用している得物だ。

鋼線、それもとても細く、視認し辛い物。

ハインリッヒが自らが作り出した武器の内の一つ。

それをクックルの体に巻きつけ、身動きを取れなくしたのだ。

从 ゚∀从 「にしても、頑丈だねぇ。普通ならちょっとでも動けばバラバラになっちまうのに
      振りほどこうとまでするとはね。流石、VIPPER最強と名付けられるだけはある」

だが、とハインリッヒは付けたし

从 ゚∀从 「化物は人間に倒されなければならない。人間らしく人間のように生きる強い人間に。
      だから俺に倒されろ。化物め。“人類最強”に倒されることを誇りに思いやがれっ!」

ハインリッヒが片手に装備している5本の鋼線を
もう一方の手で手刀を落とすようにパンッという音を鳴らして弾くと
クックルの四肢がバラバラに弾き飛び、その場に死体が散らされた。

だが、瞬きをした間に何事も無かったかのように再生する。


74 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:10:30.67 ID:YjEz0V/E0 [12/22]
从 ゚∀从 「あれまー。どうしちゃったんでしょうか」

(-@∀@) 「クックルは不死身だ。貴様すら屠ることが出来る私のジョーカーだ」

从 ゚∀从 「へー。そいつは殺しがいあるってもんよ!」

(-@∀@) 「フン、戯言だ。まぁいい」

(-@∀@) 「私の正義と貴様の正義。どちらが本物か決める時が来た」

从 ゚∀从 「本物の正義なんて1つしかねーのさ、正義と悪が戦う。そっちのほうが分かり易くていい」

ハインリッヒはクックルへと向けて糸を放つ。

空気を切り裂き、ヒュンヒュンヒュンという
子供の泣き声のような音が響きわたり、クックルの体に糸が巻きつく。

( ゚∋゚) 「ッ!?」

すかさずハインリッヒは糸を手繰り寄せ
クックルを自分の目前に引き寄せた。

75 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:15:34.33 ID:YjEz0V/E0 [13/22]
対して、クックルは縛り付けられている糸を
力尽くで解こうとする。

しかし、それは叶わず
逆に彼の体は自らによって加えられた力のせいで
糸に体をバラバラにされてしまった。

だが、そこですかさず彼の体はビデオの巻き戻しのように元通りに再生され、
クックルはハインリッヒへと殴りかかって行く。

拳がハインリッヒへ迫るが、ヒュンという風切り音が鳴り、
糸がクックルの胴へと翻って彼を真っ二つにする。

二つとなったクックルの体を糸で更に細切れに刻みつけるが
先程のように体が再生していく。

76 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:19:44.30 ID:YjEz0V/E0 [14/22]
クックルが元の体へと戻った時には
ハイリッヒが彼の眼と鼻の先に居た。

見れば、拳を構えており、それをクックルへと放つ。

何か大きな力に引っ張られるようにして
クックルは後ろに仰け反って倒れていく。

そして倒れたクックルにハインリッヒは飛びかかり
馬乗りとなった。

从 ゚∀从 「さて、テメーは不死身らしいな? だが、俺はそうは思わない。
      テエーは不死身に近い再生能力を持っているだけだ。
      不死身なんて物があるはずがない。世の中の物は全てぶっ壊れるようにできてんだよ」

清々しいまでにハインリッヒが言い切り、右の拳を振り上げる。


77 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:23:32.80 ID:YjEz0V/E0 [15/22]
从#゚∀从 「だからこそ俺がぶっ壊してやんよっ!」

拳を振るい、更に逆の拳を振るう。

左右から殴打し続け、クックルの顔がぐにゃりと歪んでゆく。

一撃が振るわれる毎に地面が振動し、岩が砕かれたかのような轟音が鳴り響き、
どんどんクックルは人間から肉塊へと変貌していった。

血の花が舞い散り、体中の体液がばら撒かれていく。

赤が舞う空間の中、ハインリッヒは笑っていた。

从 ゚∀从 「ハーッハッハッハッ! ハインリーッヒッ!!」

血の噴水がクックルから上がり
それに負けぬかのようにハインリッヒが高笑いを上げた。

(-@∀@) 「私の切り札も、貴様の前ではただの玩具に過ぎんか……悪魔め!」

アサピーがその光景を見て独白した。

78 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:28:03.78 ID:YjEz0V/E0 [16/22]
从 ゚∀从 「おう、テメーの切り札なんてそんなもんだ。あたしに並ぶことができるのは純粋な人間だけだ」

(-@∀@) 「フン、VIPPERの生みの親が良く言う」

从 ゚∀从 「俺は兵器として、武器としてVIPPERを作ったわけじゃねぇ。
      俺は玩具なんて作った覚えは一度もない。勝手にテメーらが俺の研究に乗っかって来ただけじゃねーか」

(-@∀@) 「それは科学者の言いわけではないかね? 良い発明とは兵器として使われる運命なのだよ」

从 ゚∀从 「ハッハッハッハ! ハッハッハッハッハッハ!」

突如、ハインリッヒが笑いだした。

从 ゚∀从 「テメーは俺を作り出した奴らそっくりだよ。昔から思っていたが、ここまで似ていると笑えてくるぜ」

(-@∀@) 「ほう、褒め言葉として受けておこう」

从 ゚∀从 「あぁ、最高のクズ野郎だテメーは。切り札も無くなった。
      勝ち目は無い、お前の野望は果たせない。どうよ? 今なら土下座65億回すれば許してやんぜ?」

(-@∀@) 「そんなつもりはない。貴様の正義と私の正義、どちらが本物か決める時が来た。それだけのことだ。
      力が全てだとは言わない。思想の正しさを力では決められない」

(-@∀@) 「だが――――――――――この瞬間は力こそが全てだ!!」

アサピーが一瞬にしてハインリッヒの目前に移動し、剣を一閃。

80 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:32:59.13 ID:YjEz0V/E0 [17/22]

ハインリッヒはそれを十年も昔から予知していたかのように、
腕を一閃して“素手で”剣をへし折った。

从 ゚∀从 「悪いな、人類最強のワイルドカードの前じゃテメーの切り札なんて紙切れ同然なんだよ」

ハインリッヒは足を180度に回し
アサピーの脇に喰らいつき、彼の肺を肋骨ごと粉砕した。

アサピーは空中に吹き飛び
どんどん滑空していき、壁にぶつかってやっと停止した。

(メ-@∀@) 「ワイルドカードだと……? イカサマの間違いじゃないか……」

彼は口から大量の血液を吐き出すと
同時に溜息を附いて言う。

だが、その言葉はドクオの扱っていた
ツェリザカの銃声によって掻き消されてしまった。

从 ゚∀从 「フン、俺は正義なんて物はもちあわせてねーよ。仲間と一緒に生きたかった、ただそれだけだ」

ハインリッヒはそう言うと、銃撃によって熱をもった銃身に向けてふぅと息を吹きかけ
バックパックへとツェリザカをしまった。

はぁ。とひとつ溜息を附き、ハインリッヒは呟く。

82 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:36:53.15 ID:YjEz0V/E0 [18/22]
从 ゚∀从 「これからどうしろってんだよ、ドクオのクソ野郎。
      俺には帰ることのできる場所ってのがねーのによぉ」

ハインリッヒは視線をクールへとやると

彼女はただ立ち尽くし、その相貌は涙で濡れていた。

从 ゚∀从 「おーい、クーよぉ、あんま泣くなって。いちおうドクオはこうして生きてんだからよ。
      まぁ………もっとも顔は俺だし、性格も俺なんだけど……」

川 - ) 「ハインリッヒ……私はな、とても惨めだ。私はなにも出来なかった。
     私はただ捕まっただけだ、私はただ仲間に酷い選択を突きつけてしまっただけだった。
     VIPPER最高と呼ばれているのに、何も出来なかった……酷く惨めだ、私はとても悔しい」

从;゚∀从 「あー、もしかして俺って相当歓迎されてない?」

川 - ) 「あぁ、お前が出てくるぐらいなら私はあのまま殺された方がマシだったよ」

83 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:40:08.94 ID:YjEz0V/E0 [19/22]
川#゚ -゚) 「謝れば許されるとでも思っているのか!? 謝られたところでドクオは戻っては来ないんだぞ!?」

从;゚∀从 「いや、だからあなたの目の前に居るじゃないですか………」

ハインリッヒは続けてボソリと小さな声で「身体だけ……」と付け加えるが
その一言はクールの怒りに更に火を点け、大量の油を注ぐこととなる。

川#゚ -゚) 「心がお前だったらそれはお前だ! あぁ! クソッ!
      どうしてドクオはお前なんかになったんだ! もう少し私が強ければ―――――」

クールが恨み事を長々と語り続ける
ハインリッヒはそれを心で受け止め、ドクオはそれを身体で受け止めた。

この日、クールは切り札を切った。

切ってはならない禁じ手を切らなければならなかった。

そうしてドクオは心を失い、ハインリッヒは体を得た。

ハインリッヒが生き続けている限り
ドクオの体が死ぬことはない。

彼は生き続けていくのだ。

彼の望んだ形では無かったが、彼女が否定した形ではあるが、
ドクオの仲間達と共に生きていくという望みは一応果たされたようだ。


85 名前:川 ゚ -゚) クーは切り札を切るようです[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:46:13.63 ID:YjEz0V/E0 [20/22]
投下終了です。
支援やwktkありがとうございます。

初めてのスレ立てでとても緊張しました。

この話は昨日総合で投下した物を加筆修正したものです。



お題

ゴマだれ
切り札
跳躍
配管工
(-@∀@) 「私の正義と貴様の正義。どちらが本物か決める時がきた」

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  1. 2011/10/06(木) 16:35:00|
  2. 自作品まとめ
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